留学体験記 1

米国家庭医療レジデンシー留学体験記

こんにちは。米国ルイジアナ州シュリーブポートにあるルイジアナ州立大学(LSU)家庭医療レジデンシープログラムで研修中の久富 隆之介と申します。

私が米国での臨床研修を目指すようになったきっかけは、医学部6年生のときに参加した沖縄米海軍病院でのエクスターンシップでした。アメリカ式のチーム医療を体験し、現場で日本人フェローとして活躍されていた先生方の姿に強く惹かれ、「これだ」と直感的に思いました。その出会いが、海外臨床留学を志す原点となりました。そこから、USMLE(米国医師国家試験)との戦いが始まりました。多くの方が医学部の低学年から準備を始める中、私は研修医1年目に入ってから本格的に取り組みました。Step 1、Step 2 CK、そしてECFMG認証に必要な英語試験OETを経て、ようやくレジデンシーマッチングに挑戦できる土台が整いました。並行して臨床業務をこなす日々は大変でしたが、「アメリカで臨床を学びたい」という思いが支えとなりました。

現在所属している家庭医療(Family Medicine)は、新生児から高齢者まであらゆるライフステージの患者を対象とする、診療範囲の広い分野です。研修では毎月異なる診療科をローテートしながら、救急、小児、産婦人科、整形外科、精神科、ICUなどを経験します。 本プログラムでは、3年間で1500人以上の外来患者を診療することを目標としており、どのローテーション中でも週に1~4コマの外来クリニック(半日単位)が必須です。外来診療が重視されており、継続的なプライマリケアを通じて、診療技術だけでなく患者との信頼関係の構築や長期フォローアップの重要性も学ぶことができます。

特に印象的なのは、アメリカでは予防医学に重きが置かれている点です。電子カルテシステムには、患者の年齢・性別・リスクに応じて必要な検査やがんスクリーニング、ワクチン接種などが自動でリスト化・表示される機能があり、外来診療時に医師が患者に説明・提供しやすくなっています。診療の質の均一化、漏れの防止に大きく貢献しており、日本にもぜひ導入されてほしい仕組みだと感心しています。また、外来での手技経験が豊富に得られるのも、米国研修の大きな特徴です。クリニックでは、関節注射(肩・膝)、皮膚生検、陥入爪の処置、Pap smear、colposcopyなどをレジデントが日常的に行っており、実践を通して確実なスキルが身につきます。患者さんと長期的に関わる中で信頼関係を築き、その人の人生に伴走するような医療ができるのは、家庭医療ならではの魅力だと感じています。

聖マリアンナ医科大学 総合診療内科学講座
久富 隆之介

アメリカの肉料理はとにかくスケールが違う!一枚でお腹も心も大満足でした。

ルイジアナ名物のクローフィッシュ!スパイシーで手が止まらない美味しさ。

消防士の熱ストレスに関する研究を行い、米国スポーツ医学会(ACSM)でポスター発表を行いました。消防士の体組成と体温上昇の関係を分析し、熱中症予防への貢献を目指しています。

渡米後に息子と娘を授かりました。妻の支えもあり、現在は家族4人で充実した日々を過ごしています。異国の地での生活は挑戦の連続ですが、家族の存在が何よりの励みです。

ロデオのサイドラインで選手をサポートするスポーツドクターとして参加しました。力強い競技の迫力を肌で感じながら、現場対応の大切さを実感しました。

アメリカではスポーツも非常に盛んです。休日には試合を観戦するのが楽しみのひとつです。写真はアトランタ・ユナイテッドの試合を観戦した際のものです。